映画

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

マーベルもアベンジャーズもそれほど興味ないんですが、前作がちょっと面白かったので。 前作、ザ・ファースト・アベンジャーは荒唐無稽な超人兵士計画のストーリーを、過去の戦争アクション映画――たとえば『ナバロンの要塞』とか『大脱走』といった名作に模…

ジュピター

なんだかんだでウォシャウスキー兄弟(姉弟)の癖のあるヒネリ方はけっこう好物なので。というわけで、怪作『クラウド・アトラス』に続いてのヘンテコSF超大作『ジュピター』を観てきましたよ。 前作はどうみても『火の鳥』だったが、今回もまたしても日本の…

風立ちぬ

宮崎駿の前作『崖の上のポニョ』を観たときに、自分は 末期黒澤路線まっしぐら。『まあだだよ』まであと何作?『崖の上のポニョ』 と書いたが、本作は黒澤の遺作である『まあだだよ』ではなかった。なかったのだが、やはり黒澤晩年の作品『夢』*1にとてもよ…

おおかみこどもの雨と雪

これも最近流行りの田舎アニメ、というか大本命。事件ドリブン*1ではない時点で、いわゆるジャンル映画、アニメ映画の枠からはみ出している。 こないだの『ももへの手紙』の感想で、母親のドラマが物足りないと書いたが、こちらはガッツリ母親のドラマだ。そ…

TIME

「おそらく打つ者の血……血液を賭けろ……というのでしょう……!」 しばらく前に観たんだけど忘れる前に。冒頭のセリフはみんな大好き福本伸行『アカギ』の鷲巣麻雀開幕時のセリフだが、アカギの作中において「生命(血液)=カネ」という福本作品定番の論理が展…

川尻善昭ミッドナイトフェス

なんと川尻監督も今年監督30周年!ということで、特に新作のプロモだったりもしないイベントをやる、という話がTwitterで流れてきたのに釣られていそいそと行ってきましたよ。 ご多分に漏れず自分も『妖獣都市』で川尻監督にヤラれ、『獣兵衛忍風帖』で完全…

ももへの手紙

ここ数年、やたら劇場で田舎アニメが量産されてるんですがこれっていつ頃の何に影響されて出てきた筍なんだろう。 で本作もその一本。お父さんが学者でお母さんが喘息持ちの少女が田舎に引っ越してくる、という、ずいぶん真正面からトトロにケンカ売りました…

電人ザボーガー

↑で奇しくもノーランについて書いているが、こちらも「往年のヒーローを現代に蘇らせた」リブート企画。もちろんこちらは予算比でたぶん1%か2%くらいの低予算映画なので画的な密度は期待できないが、その分、リブート企画において何が重要で何が重要でない…

マン・オブ・スティール

なにやら入り組んだメタ表現満載で微妙なデキだった『スーパーマン・リターンズ』*1を(例によって)なかったことにし、ノーランプロデュースのザック・スナイダー監督、という上手くハマればお互いの欠点を帳消しにした素晴らしい新生スーパーマンが爆誕する…

天元突破グレンラガン 螺巌篇

ナポレオン・ヒル「思考は現実化するッッッ!!!!!!(螺旋力によって)」。

コンテイジョン

ソダーバーグが引退前に監督した、現代版ウィルスパニック映画。『復活の日』から『アンドロメダ病原体』、『アウトブレイク』などの系譜だが、時代が下るに従って、映画で扱われるスケールはより小さくなる傾向があるような。これは、ITなどの影響で世界が…

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

またしてもマーベルのアメコミが原作。…とは言うものの、まったく聞いたことがないタイトルに、まったく見たことがない役者、清清しいほどまったく現代社会と接点のない世界、とまぁ、言ってしまえば「絶対にヒットしないタイプの映画」がなぜか大ヒット! …

アナと雪の女王

CGアニメの最先端を走るディズニー/ピクサーだけに、めんどくさい雪のパーティクルもクロスシミュレーションも何でもござれ!というサーバー至上主義的な暴力的パワーに溢れたミュージカル。 その迸るパワーは他を圧倒する画質や大ヒットした音楽にとどまら…

オール・ユー・ニード・イズ・キル

日本のラノベがハリウッド映画に!という触れ込みだが原作は未読。「動物化するポストモダン2」で東浩紀が絶賛してたヤツだっけ?という程度の認識で観た。 いきなりネタバレだが本作、鑑賞後の残り方がトムの前作『オブリビオン』を観たときの感想*1に非っ…

エリジウム

うーん、けっこう期待してたんだけど、ちょっと残念な大作SF。昨今のハリウッドのオリジナルSF大作、オブリビオンやクラウド・アトラス、そしてもちろんパシフィック・リムもそうなんだけど、とにかく最近良く見る「これ、日本のアニメで見たことあるなー」…

ホビット 竜に奪われた王国

けっこう前に観たけど備忘録的に。 前にいた会社で最後くらいに企画した、「超強力なドラゴン一体vs数十人規模の部隊による戦争ゲーム」ってネタで作りたかったビジュアルに非常に近く、「やっぱ自分の方向性は間違ってなかったんや!」と「やっぱ俺の力では…

エンダーのゲーム

オーソン・スコット・カードの処女作にして、たぶん本邦でもっとも有名なカード作品でもある「エンダーのゲーム」の映画化。 カード本人もこの作品にはたいそう思い入れがあるようで、最初の短編をずいぶん経ってから長編化したのみならずシリーズ化、そして…

大脱出

スタさんとシュワが満を持してアクションで競演!つうかポスターがコナミの魂斗羅にしか見えません! ……と、言えれば良かったんだけど、やっぱ遅すぎたね。現役映画人として相変わらず鍛えまくった肉体のスタさんはともかく、特にシュワのおじいちゃんっぷり…

WALL-E

ズルイなぁ。コレはズルイ。心を持ったロボットに、宇宙に、TVゲーム。 こんな監督(脚本も兼任)のオタク心が共振しないわけがない。 無声映画を髣髴させるチェレンジャブルな導入部から、いつものPIXAR印なガチャガチャしたクライマックスまで、映画として…

ゼロ・グラビティ

元旦に南町田IMAXで鑑賞。 考えてみれば、アルフォンス・キュアロンは寡作の作家だ。一躍ヒットメーカーに躍り出た『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』以降、『トゥモロー・ワールド』と本作しか監督作がない。もっとも脂の乗った40代において2作品、50…

キャプテン・フィリップス

前代未聞にして空前絶後、「映画館に居ながらにしてソマリアの海賊に襲われる体験ができる映画」がやって来た! な…何を言ってるのかわからねーと思うが(略) 多分に「アメリカの正義」を告発する軍事アクションスリラー大作『グリーン・ゾーン』が興行的に…

かぐや姫の物語

いまはなき東急文化会館で、高畑勲監督の前作『ホーホケキョ となりの山田くん』を観たのは、まだ20世紀、自分もまだ20代の頃だった。当時の高畑監督は還暦をすぎ、映画監督として円熟した時期にあったと言っていいだろう。その力の抜けた作風は、東急文…

裏切りのサーカス

はい、やってまいりました『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』、2012年になってのまさかの映画化。もちろん非ハリウッドのヨーロッパ映画です。 ↑のM:Iシリーズがアメリカンスパイ映画の王道なら、こちらは007以上に、ブリティッシュスパイ映画の…

ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル

ブライアン・デ・パルマの手がけた初代M:Iは非常に面白かった。とにかくサスペンスがてんこ盛りで、ダニー・エルフマンの音楽も「いわゆるハリウッド調」ではなく、もちろんラロ・シフリンのテーマ曲のカッチョイイ現代風アレンジも含め、一作目にして007シ…

プロメテウス

公開前の盛り上がりが一転、公開するや否や評価が大きく割れた問題作、『プロメテウス』を新しく入った39型テレビのこけら落としとして(?)鑑賞。 いまや巨匠になってしまったリドリー・スコットの堂々たる映像は素晴らしく、エイリアンシリーズの前日譚と…

ジョン・カーター

あの『火星のプリンセス』がついに、というかまさかの映画化!『スカイキャプテン・ワールド・オブ・トゥモロー』のケリー・コンランが監督に、と聞いたのはかなり以前の話だったが、最終的には『ファインディング・ニモ』や『WALL-E』を手がけたアンドリュ…

007 スカイフォール

なんとびっくり、『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』に続く新生ボンドシリーズと思われた本作、実はこれまでの「新人スパイ、ダブルオーセブン」のストーリーをまたドブに捨て、「引退寸前のスパイ、ジェームズ・ボンド」の死と再生を描くまったくの別路…

ミックマック

冴えない主人公がふとしたはずみでサーカスじみたフリークスの集団に拾われ、彼らと一緒に奇想天外な冒険を繰り広げるバットトリップした童話みたいなお話。と書くと、テリー・ギリアムの最近作『Dr.パルナサスの鏡』と同じじゃん!と思ってしまうが、期せず…

アイアンマン2

CEOはァ〜気楽な稼業とォ〜来たもォんだ♪(歌:植木等) C調ヒーロー映画とも言うべき新たなジャンルを拓いたあの『アイアンマン』の続編。あいかわらず自分にしか興味がない主人公トニー・スタークが突然世界平和に目覚めるが、そのおかげでいろいろ要らん…

マネーボール

実録スポーツもの、というとだいたい名選手かせいぜい名監督の知られざるなんとか、とか人間○○の真実、とかいうパターンがここんとこの定番だが、ここに来て「人間」ではなく「システム」を描く実録スポーツ映画が登場した。それが本作。 ここで描かれるのは…