シン・仮面ライダー

かなりイビツな映画だ。本作は映画にも関わらず、庵野監督が以前に脚本等で参加した『シン・ウルトラマン』同様、「原作となるTVシリーズ当時のチープな特撮を、現代の映像技術で予算をかけて再現」+「部分的にリッチで現代的な画づくり」という、面倒かつ…

トップガン マーヴェリック

1986年公開の『トップガン』の、まさかの36年後の続編。とはいえ、ここのところブレードランナーの続編が出たり、デューンが再映画化されたり、あまつさえ同時期に『シン・ウルトラマン』も公開中なのでそれほどのインパクトはない。 本作における最大の特徴…

アライブフーン

ドライブゲームのチャンピオンが実際のドリフト競技に駆り出されて大活躍!という、やや実話風味のスポ根ドライブアクション映画。現代に蘇ったリアル『スターファイター』*1ともいえる。 下山天監督は主にMV方面で活躍している人だそうで、その意味では中野…

犬王

これまで湯浅政明監督作品は、その凄さはわかるもののキャラクターに感情移入しかねる部分が常にあり、その意味では「not for me」な作家だと思うのだが、今回は少なくとも主人公の一人である友魚には感情移入でき、ラストまできちんと付き合うことができた…

シン・ウルトラマン

これまで公開されてた予告では、特にウルトラに思い入れもない人間にはどうかな?と思っていたが、意外なほど楽しめた。 その理由の一つは、『シン・ゴジラ』と違ってこちらはけっこうユルい世界観であり、そのゆるさを自覚した上でそれが好きでたまらないオ…

ひさびさ映画三昧

命の洗濯モードのため、去年はたった一本しか観てなかった映画を4本も鑑賞。それぞれ面白かったので少しやる気が戻ってきたかも。 すべてネタバレありなのでご注意を。

国民クイズ

バブル時代の週刊モーニングに突如として現れた、日本版『未来世紀ブラジル』を標榜したと思しきカルト漫画、全4巻。 その蛮勇とも思える目標に対して、本作はかなりのところまで肉薄し得たのではないだろうか。 前半2巻はタイトルとなっている「国民クイズ…

レッド・バイオリン

次のゲームの企画参考として、前々から観たかったこれを満を持して鑑賞。 ある悲劇から呪術的アイテムとなったバイオリンとそれを巡る人々のドラマなのだが、一歩間違えるとB級ホラーになりかねない題材を一級のビジュアルとサウンドで格調高さすら感じるレ…

シン・エヴァンゲリオン劇場版

映画はずいぶん素直で引っかかりのない作りだったが、「エヴァの本当の完結編がこんな作りである事」自体が本当に驚きだった。 タイトルも、イチイチ引っかかりを盛り込んだ「ヱヴァンゲリヲン」から素直な「エヴァンゲリオン」表記に戻った本作は、「『逆襲…

ジョーカー

「ジョーカー誕生秘話をスピンオフで映画化」と聞いて最初に思い浮かべたのはアラン・ムーアの手になる「キリングジョーク」*1で、まぁあんな感じの作品なんだろう、金獅子賞獲ったってんなら結構シリアスに作られてそうだな…程度の認識で鑑賞。結果、かなり…

「高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの」

https://takahata-ten.jp/ こちらは江戸城跡の国立新美術館での開催。平日の午後に鑑賞したが、客層の年齢は高く(女性比率も高い)、平日とは思えない混み具合に、一般的な「アニメファン」とは異なる高畑氏の国民的人気を可視化された感がある。 こちらも…

「富野由悠季の世界」展

https://www.tomino-exhibition.com/ たまたま福岡出張のタイミングだったので、これは行けってことだな!との勝手な思い込みに従い強行軍で鑑賞。 会場の福岡市美術館は大濠公園という大きな湖のほとりにあり、かなり大規模な美術館。平日の午前中だったが…

TEXHNOLYZE

こちらは2003年の作品。『serial experiments lain』に始まる一連のシリーズの一作なのだそうだが他の作品は未見。『赤い光弾ジリオン』で作画監督をされていた浜崎博嗣監督のTwitterでの発言から興味を惹かれて鑑賞した。 見始めてすぐ、これは非常に難しい…

虐殺器官

伊藤計劃以後、という言葉さえ生んだ著者デビュー作のアニメ化。原作は未読だが日記の映画評はちょくちょく読んでいたので、氏がどういう思考の持ち主でそれがどう作品に反映されているかはなんとなく理解できる。 伊藤氏のSFに対するスタンスは映画監督アル…

「パイオニアLDCが作りそうなアニメ」つながり

これまたずいぶんとご無沙汰してます。似た空気感のアニメを立て続けに見た*1のでメモ。 *1:未見だが『Ergo Proxy』あたりでこの両作は繋がってるような気もする

レディ・プレイヤー1

ゲームやSFの界隈では邦訳前から結構話題になっていた小説『ゲーム・ウォーズ』がこのVR時代に満を持して映画化。 我々アラフォー、アラフィフにとってのオトナ帝国といえるVR世界を舞台にした、ウェルメイドな冒険活劇となっている。 本作の主要登場人物た…

パシフィック・リム:アップライジング

前作『パシフィック・リム』は2013年の映画だが、すでに現代のカルト・クラシックの地位を占めている。いまやオスカー監督となったギレルモ・デル・トロの爆発するオタク趣味と溢れるビジュアルイメージ、そしていつもと同じくシビアなドラマツルギーが、も…

オタクネタ映画対決

ちょっとばかし仕事で凹む事態があったんですけど人生は続くのでした。(⇐汎用フレーズ

ブレードランナー 2049

伝説的なSF映画の続編やらリブートやらが連続する昨今、遂にというかとうとうというかブレランにまでも続編が公開。これの予告がかかっていた頃の新宿歌舞伎町では、ビルの垂れ幕にエイリアン(コヴェナント)とブレードランナー(2049)、その向こうから巨…

バリー・シール/アメリカをはめた男

たまたま時間が合ったという理由だけでほぼなんの事前情報も仕入れず鑑賞。こういう伝記映画にしては異常にテンポいいなーと思ったら監督が『ボーン・アイデンティティー』のダグ・リーマン(「ライマン」表記問題どうなった?)だった。 というわけで本作、…

ジョン・ウィック

「TZKさんジョン・ウィック観てないんですか!?それ人としてどうなんですか!?」と若人にたしなめられたので鑑賞。話題になってるのは知ってるけど、自分が中年になってからというものアクションだけの作品にはなかなか食指が動かなくなっているのも事実。…

007 スペクター

ダニエル・クレイグ版ボンド4部作のトリとして撮られたと思しき現時点での007最終作。ファーストカットの延々長廻しで見せつけられる「死者の日」(日本でいうお盆みたいなお祭り)の緊張感から、なかなか引き込まれる。 前作『スカイフォール』がこれ以上な…

4078じゃなくて2019でもなくて2049

ちょっとめっちゃ忙しいんですが現実逃避として映画の感想などを。オメーどんだけ逃避してんのかと。

太陽の王子 ホルスの大冒険

高畑、宮崎コンビの記念すべき最初の作品であり、大塚康生、小田部羊一、森康二など、のちのアニメレジェンドがこぞって参加した東映長編を代表する一作。高畑勲の初監督作でもある。 基本ストーリーは当時の東映動画らしい名作路線なのだが、のちの高畑作品…

戦争のはらわた

一見ホラー映画のようなタイトルだが、中身はペキンパー印の異色戦争アクションだった。一兵卒でしかないはずの主人公がハードボイルドヒーローで登場人物がみな彼を気にしているところや、彼を中心として舞台やテーマがどんどん変化して行くロードムービー…

ダンケルク

前作インターステラーが合わなかったのでノーランはしばらくいいやぁ…とか思ってたが色々あって割引の日に鑑賞。 セリフをまったく使わない冒頭シーンなどはこれまで冗長といえるほどのセリフを積み重ねてきたノーランらしからぬ抑制ぶりで、「おっ、今回は…

せんそうえいがとか

対照的な戦争映画を連続で観たので忘れないうちに。あと、この歳になって初めてホルスを観たのでそれも追加。

メッセージ

こちらもまた、非常に内省的な映画である。平和的なファーストコンタクトを描いた生真面目なSFとして『コンタクト』と比べる向きもあろうが、「未知と宇宙とに対峙する人類のアイデンティティ」としての個人の信仰が描かれた『コンタクト』と異なり、こちら…

フューリー

ブラピが第2次大戦の戦車小隊を率いるというアレ。当時はガルパンとかのブームで熱血戦争映画かと思ってたら、実際はかなり宗教色の強いイマドキらしい哲学的な内容だった。 話の縦軸としては、観客の目線として小隊に配属される若者(しかもご丁寧に実戦経…

とっても忙しくしております

新しい職場でひさびさというかたぶん4年ぶり?のディレクター業にてんやわんやしております。前の職場は平和だったなぁ。