考察

システムとストーリーのベクトル

システム上の死は復活できるがイベントで死ぬとシステムから除外、という、FFのエアリスみたいな*1例は、たぶん、恐竜的進化の果てに奇形化した国産RPG特有の齟齬だろう。システムが目指すコンセプトと、シナリオが目指すテーマとが、譲らないまま同じゲーム…

システム上の死を容認するストーリー

反応して頂いたhiyokoyaさんには申し訳ないが、例の対談のソースは覚えてません。ただ、ゲームシステムとストーリーを別の人間がそれぞれ(自分の信じる)勝手なほうを向いて作っているかぎり、「それは戦闘不能であって死ではありません」的な言い訳は無く…

旬ゲーム

俺がホザいてるよーなことは当たり前だったよーで。 ニンテンドーDSが携帯電話になる日 http://it.nikkei.co.jp/digital/news/game.aspx?i=20060313ew000ee 携帯電話化うんぬんの話は置いといて、注目したいのは そのときどきの流行しているテーマを旬のタ…

他業界に学ぶもの 続き

いつも言ってることなので、「題材」を普通に入れ忘れてた。映像技術、演出技法、マーケティングの発展の他に、その時代に合った題材を扱うことで、映画は観客の心を掴み、動かしてきた。 「題材」の旬さは映画に限らず、エンターテインメント全般において相…

映画業界の轍

ここで書いてるような話を会社でもしてたところ、「映画業界の歴史」ってなんですか? みたいな反応だったので整理しておく。 リュミエール兄弟の頃は、写真が動くだけで客が入った ストーリーを持つようになり、劇を観る感覚で大衆娯楽化した 大予算のスケ…

GDC

PsychonautsはGDCアワード一部門しか獲れんかった…しょぼん。 でなくて。 ウェブでGDCの記事を読んでると、次世代機はどれもコンテンツダウンロード販売を狙っているようだ。ちょっと前から@baraiがどーのこーの*1と言っていた俺としては、そんなに急…

終わりなきゲーム

ここ数ヶ月なんだか宮台真司づいているわけだが、手当たり次第バランバランに読んでいるので時系列がなかなか頭に入らない。そんな中でも、頻出する「終わりなき日常を生きろ」というキーワードは宮台の世界観を明快に現わしており、ここだけは俺でも理解で…

ゲーム脳のニーズ

俺的にはもう終わった話題なのだが、なぜだかまたぞろゲーム脳が話題になっている。かなり根拠があやしいにも関わらずこの説がなくならないのは、やはりネーミングのキャッチーさと、これが世間のニーズに正しく応えているからだろう。親たちはゲームであれ…

TVゲームのルール

昨日の表を改めて眺めると、「ルール」の重要性が、ゲームの王道がコンピュータにシフトしてから低下する一方なのに気がつかされる。純粋にコンピュータゲームがオリジンといえるルールって、上海とかテトリスとかしか思い浮かばない。いや、CIVILIZATIONも…

商品性その後

俺の考えるTVゲームの商品性(対価を払うに値するサービス)について2006年版。 質(完成度)・量(ゲームボリューム)・価格(とプレイ時間)についてはこれらの項目と掛け合わせて考える。 手触り 特殊コントローラや手になじむ操作。触って楽しい、の優先…

DSの成功はレボを殺す?

DSのカンファレンスがあったそうで。 Touch!Generationsシリーズの勢いが凄すぎて、どーにもそのあとに来るサードパーティの「旧来のゲーム」のほうにバリバリの違和感を覚える。Touch!Generationsにしても、エレクトロプランクトンと楽引辞典、ゴルフには触…

「ゲーム」と「TVゲーム」の深い溝

実践的なゲームデザインの指針として、ここ数年、個人的に常に意識させてもらっているテキストがある。 日本ボドゲ界の重鎮(?)おの氏*1による翻訳があるので、一部を転載させていただく。 何がゲームをよいゲームにするか http://www.tgiw.info/etc/facto…

日本ゲームの伝統芸

けっこうな昔、「手に馴染むアクションゲーム」は、ATARIの一時代など一部を除き、細やかな(例の島国さんのチェックにあるような)調整を行き届かせた日本製に限られていた。 それを覆された、と俺が感じたのはMDの『アラジン』、そして続けて出た『アース…

ゲームデザイン?

欧米ゲーム業界でDesingnerと言えば、それはゲームデザイナーを指すそうな。 本邦の「ゲームデザイナー」はProducer(プロデューサー)だったりScripter(中間コード入力者)だったりもするが、向こうはそのへん、きっぱり分かれている。 分かれているのはLevel …

完成度主義とミニゲーム集

日本のゲーム市場は、完成度主義が蔓延しているという。「完成度×ボリューム÷価格=ゲームの価値」ということだ。確かにそれは肌で感じる。減点法でゲームに接する雑誌メディアと、中古対策としてプレイ時間延長を目指すメーカーとが、ユーザーをそのように…

ストーリーマーケティング

「ストーリーマーケティング」という手法がある。分かり易い例でいくと、『プロジェクトX』でビクター、VHSのブランドが向上したりしたのがそう。 でコレ、一番有効なのは高価な一品モノのような気がしてきた。ストーリーによって、高価な品を費用対効果…

ゲームの題材と料理法

ゲームをやらない人にとって、「それってどんなゲーム?」の答えがシステム的なものだったら、まず遊んでもらえない。 まぁだいたいは、題材こそが彼の興味の焦点となる。「サッカーのゲームで…」「ゾンビを殺すゲームで…」「犬を飼うゲームで…」エトセトラ…

プロジェクトファンド

「ゲームは開発メンバーのもの」――シグナルトーク・コーポレーションはクリエイターの理想郷となるか http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0601/26/news050.html なにやら説明があやしい本文中では、「プロジェクトファイナンス」と呼ばれているが、…

ゲーマーのヒエラルキー

ヘビーユーザー、スコアラー、廃人 ゲーム好き 非リアルタイムゲーマー 懐古ゲーマー ノベルゲーマー 前にも書いたが、この下はもうゲーマーじゃない。キネティックノベルやらアドベンドチルドレンなんかの「視聴者」の世界。 連続するストーリーを希薄化し…

『脳を鍛える大人のDSトレーニング』の成功

最近BLOGでよく見かけるので話題に乗ってみる。 マーケティングの勝利、これに尽きる。基本的にはセガの脳トレなどすでにある商品だが、既存のゲームユーザーと異なるセグメントに、戦略価格*1と大胆で的確なプロモーションとでアプローチし、あとは製品の地…

感情アクセスその2

受け手の感情をかきたてようとした時、その表現手段として「歌」が最強なのではないか、と思い始めている。 歌にはメロディがあり、リズムがあり、肉声があり、歌詞がある。 メロディは直接感情を刺激する。それも感情移入ではなく、本人の感情を喚起すると…

ゲームにおける身体性

「身体性を失った現代人」とゆーテーマにここ数年非常に惹かれている。いじめや引きこもり、新興宗教、オタク文化など、個人的に「そう考えるとしっくり来る」視点を提供してくれている。娯楽作品では『ファイト・クラブ』がその対処法にまで踏み込んでおり…

TVゲームの偏狭なゲームデザイン

http://blogs.dion.ne.jp/arere/archives/2324511.html 「ゲームデザインのこれから(8) 材料はあるがレシピが無い」。後輩がなにやら言うので見た「ゲームのマボロシ」さんとこで。 まずもって「ゲームデザインの発見」という言葉に違和感を覚える。ゲームデ…

ゲームの潮流

先週、どこぞの大学でゲームの潮流を探るシンポジウムがあったらしい。 アタリ創業者兼『ポン』作者ノラン・ブッシュネル(いつから「ノーラン」じゃなくなったんだろう…)、宮本茂、小島秀夫なんかが出席し、技術の進歩とゲーム(正確にはもうちょい広い)…

キャラの商品力

TVゲームをキャラクターグッズと捉える傾向の強い昨今、キャラの商品力自体がゲームの売上を左右するのは、もう仕方がない現実なのだろう。 で、不思議なのがゲームキャラに関しては、ゲーム以外への展開が概ね失敗していること。例外がエロゲーだが、あれは…

メモ

「解法の発見」を主体とする任天堂系ゲームはアドベンチャーゲームの王道。

ゲームの快感を種類で分解してみる。 原始的、本能的快感 リズム、スピード、闘争、運動、セックス、排泄、睡眠など 感覚的快感 絵(輪郭、色彩、構成)/映像、音/音楽、手触り、美味、いい匂い、幾何学的または数学的整合性など 知的快感 認知/認識、論…

「ゲーム性」に替わる言葉

「ゲーム性」はなてなキーワードになっていた。やはりここで苦々しい思いをした人は多いらしい。 個々のゲームに固有の性質を表す場合 ゲームとしての要件を満たすかどうか、その程度を表す場合 2の例は、実は「ゲーム性が高い低い」議論を内包していると思…

エンタメ法則

「ゲーム性」なる危険な言葉の解体を模索中…。 しかし「抑圧→解放」はストーリーの世界でもゲームの世界でも「古い(クラシックな)スタイル」に追い込まれているようだ。

ADVの今後

いい加減『逆転裁判』やったことありません、じゃ済まなくなってきたなぁ…。システム的な新しさは「異議あり!」のところなんだろうけど、あれって『南方伯堂登場』のスマートな応用のような。 『ローグアライアンス』『バトルゴリラ』を継ぐADV、RPGが作れ…