映画業界の轍

ここで書いてるような話を会社でもしてたところ、「映画業界の歴史」ってなんですか? みたいな反応だったので整理しておく。

  1. リュミエール兄弟の頃は、写真が動くだけで客が入った
  2. ストーリーを持つようになり、劇を観る感覚で大衆娯楽化した
  3. 大予算のスケールを売りにし出す
  4. モンタージュを筆頭とした映画理論が現れ、映画が完全に演劇と分化した
  5. トーキー化
  6. カラー化
  7. スターシステムの確立(今でも最も基本的なリスクマネジメントのひとつ)
  8. リアルなVFXの登場、進化
  9. 仏ヌーベルバーグで更に映画が豊穣に
  10. CGの登場

つまり、映像技術の発展と、演出技法の発展と、ビジネスとしての発展が、それぞれ連動して進化しているのが、現在の映画業界だ。
対してゲーム業界は、ハードウェア(≒映像技術)の発展こそ積極的だが、ゲームデザイン(≒演出技法)の発展は逆に、阻害されている。低予算作品で頭角を現わした新人が超大作の監督に抜擢!…なんてのはゲーム業界では有り得ない。だからユーザーに飽きられても、メーカーは同じよーな作品を出し続ける。*1
別に「ゲーム」がつまらなくなったわけじゃない。ただ、ひとりのエイゼンシュテイン、ひとりのゴダールが欠けている*2だけだ、というのが俺の認識。

*1:なんと言っても作ってる人は変わらないわけだから

*2:正確には、登場が阻害されている