映画業界の轍
ここで書いてるような話を会社でもしてたところ、「映画業界の歴史」ってなんですか? みたいな反応だったので整理しておく。
- リュミエール兄弟の頃は、写真が動くだけで客が入った
- ストーリーを持つようになり、劇を観る感覚で大衆娯楽化した
- 大予算のスケールを売りにし出す
- モンタージュを筆頭とした映画理論が現れ、映画が完全に演劇と分化した
- トーキー化
- カラー化
- スターシステムの確立(今でも最も基本的なリスクマネジメントのひとつ)
- リアルなVFXの登場、進化
- 仏ヌーベルバーグで更に映画が豊穣に
- CGの登場
つまり、映像技術の発展と、演出技法の発展と、ビジネスとしての発展が、それぞれ連動して進化しているのが、現在の映画業界だ。
対してゲーム業界は、ハードウェア(≒映像技術)の発展こそ積極的だが、ゲームデザイン(≒演出技法)の発展は逆に、阻害されている。低予算作品で頭角を現わした新人が超大作の監督に抜擢!…なんてのはゲーム業界では有り得ない。だからユーザーに飽きられても、メーカーは同じよーな作品を出し続ける。*1
別に「ゲーム」がつまらなくなったわけじゃない。ただ、ひとりのエイゼンシュテイン、ひとりのゴダールが欠けている*2だけだ、というのが俺の認識。