日本ゲームの伝統芸

けっこうな昔、「手に馴染むアクションゲーム」は、ATARIの一時代など一部を除き、細やかな(例の島国さんのチェックにあるような)調整を行き届かせた日本製に限られていた。
それを覆された、と俺が感じたのはMDの『アラジン』、そして続けて出た『アースワーム・ジム』で敗北は見えた、と思った。
ところがその後、世は3D全盛となり、Shiny社も数々の奇ゲー(もちろん俺は大好きだが)を残してMATRIXの渦に消えた。
で。

【D.I.C.E.リポート】任天堂ジー・フィザメイ氏や『ゴッド・オブ・ウォー』のジャフィー氏が講演
http://www.famitsu.com/game/news/2006/02/10/103,1139537537,48529,0,0.html

『ゴッド・オブ・ウォー』は一昨年のE3以来、日本でもよく話題にのぼるバリバリのアクションゲームだ。正しく作られた『アルゴスの戦士』とでも言おうか。その完成度は非常に高く、3D時代でももはやこのジャンルは日本の得意分野ではなくなった。
非常に短いこの記事では詳細は不明だが、ディレクターのジャフィー氏は一度不本意な作品を作ってしまった反省から、今回、明快な姿勢でゲームに向かったらしいことが分かる。前作の反省を生かした、と言えば普通に聞こえるが、これは「進化の止まったジャンルでは、ノウハウをキチンと積み重ねられる欧米式にいずれ抜かれる」と認識した方が良さそうだ。
国技なのに外国人力士ばかりの大相撲のような世界で、本邦のゲームデザイナーはこれから戦わねばならない。伝統をありがたがらない顧客の前で、いつまで伝統だけで戦いきれるのか、今後の動向(例えば格ゲーの)を注意深く見守りたい。