感情アクセスその2

受け手の感情をかきたてようとした時、その表現手段として「歌」が最強なのではないか、と思い始めている。
歌にはメロディがあり、リズムがあり、肉声があり、歌詞がある。
メロディは直接感情を刺激する。それも感情移入ではなく、本人の感情を喚起するところが強い。「良いストーリーは一種の奇跡だ」と言ったのはキューブリックだそうだが、「良いメロディーも一種の奇跡だ」と言っていいと思う。
リズムは感情よりも更に下、原始的な本能を刺激する。人間とて動物である以上、本能が感情をも支配する。
肉声は聴くものに感情移入を促す。人間の声が、心の垣根を取り払わせ、歌詞を心に肉薄させる。
歌詞にはストーリーがある。もちろん、ここにも奇跡がある。感情移入の問題は、すでにサウンド面で限りなくクリアされている分、他のストーリー表現の手段より有利だ。歌詞カードでは陳腐な歌詞が、聴いてみると心に迫るのはこのためだろう。
で結論。
「歌」には気をつけろ! ヤック・デカルチャーということでひとつ。