007 カジノ・ロワイヤル

新生ボンドシリーズだそうで。ていうかこれも「007・ビギンズ」だった。なんか最近このテのシリーズ映画ってパターン化してない?
初っ端のパルクールが激しく007らしくないが、新ボンド、ダニエル・クレイグの微妙に投げやりなマッチョダンディっぷりが、なるほど、この男が将来ショーン・コネリーに育つのだな、と思わせてシリーズ再生に向けてのお膳立てとしては十分かも。やはりマーティン・キャンベルはソツがない。尺は長すぎだけど。
難点は…やはり、これを「007」でやる必要があるのか、に尽きるだろうか。RどころかQも出ないし、一旦こっち路線に舵を切ったら、もはやシリアス一辺倒しかシリーズの生きる道はないと思うんだよね。なんだかんだ言ってロジャー・ムーア世代なので、「なんらの出生の秘密も持たないスーパーマン」としてのジェームズ・ボンドが、幾多の殺しと死線、裏切りの果てに、やさぐれた人殺しとして完成しました、とかいうつまらないリアリズムに絡め捕られる様はけっこう悲しい。
ラストを「Bond, James Bond」の名台詞で〆たのは、映画「007・ビギンズ」として秀逸。なのだが…。(下の感想に続く)