007 慰めの報酬

前作をそのまま引きずった、まるで「ボーン」シリーズのような続編。アクション監督が「ボーン」シリーズと同じだそうで、連続車両事故なカーチェイスや、手持ちアイテムフル活用での肉弾戦も激しく「ボーン」風味。なんか色気がないあたりも。
それにしても前作といい本作といい、Mはボンドに甘すぎやしませんか。というかMI6自体がボンドに振り回されすぎ。ここでも、「組織の中の自由人」という俺の脳内007イメージが崩壊。ホントのMI6は「スパイキャッチャー」で描かれたような家族的・保守的な組織だとしても、少なくとも映画版007シリーズのMI6は「イザって時は諜報員を使い捨てにする非情なスパイ組織」であって欲しかった。
そして遂に、「Bond, James Bond」までが本作からはオミットされ、まぁ、それもこれもリアリズム追求の一環なんだろうけど、だとしたら「21世紀にスパイ組織が存在する意味」まで突っ込んでくれないともはやバランスが取れないような。でもそうすると更に「ボーン」シリーズになっちゃうか。
なんか新生007シリーズって、007を観てるのに「いかにスパイ・サスペンス映画に「ボーン」シリーズが大きな影響を与えたか」を検証してる気になってしまった。