不景気と無気力の「負のスパイラル」

消費しない20代が日本を滅ぼす!?
http://diamond.jp/series/nippon/10021/

ちょっと前に話題になったアレ。
竹中さん、お前もか! と思わず口走りそうになったが、コメディアンはともかく、竹中氏は経済学者なわけで、経済的な施策以外ではそのへんのオッサンと変わらないのかもしれない。
「サクセスストーリー」と簡単にいうが、とにかくいまの仕事は容易に達成感など味わわせてはくれない。それは俺が特殊な業界にいるから、ではなく、非正規雇用に代表されるような、労働者を代替可能な「作業者」として捉え、ほとんどの仕事を「作業者」にアウトソーシングし、一部の「代替できない/されない部門」の人間だけが変わらぬ「達成感」の美酒に酔う、という風景が定着したからだろう。
そこで「サクセスストーリー」なんて持ち出すようでは、間違いなく、日本は滅ぶ。

#017 とにかく欲望を持ってくれ! 斎藤 環 さん(精神科医
http://www.mammo.tv/interview/archives/no017.html

かなり古いが、こーゆー事だと思う。
「モノを欲しがる=ニーズ」を発生させるには、そもそも自分の基盤が整っていなければならない。
その基盤を作るのは、友情や恋愛といった他者とのコミュニケーションにあるという。
ここでその是非は問わないが、そのコミュニケーションをどう発生させるか? が問題になっている(非モテ非コミュ論議もすぐその話で堂々巡りになる)。
上田×竹中対談に戻る。
対する上田の案は「ボランティア」で、深読みするなら、ワタミとかあーゆー自己啓発系搾取現場のことを称揚しているようにも見える。『無頼伝 涯』の「感動は危ないっ…!」ではないが、たいしたことでなくても成功体験としてしまえるようなシステム(≒自己啓発セミナー)さえあれば、確かに「サクセスストーリー」の量産は可能なのかもしれない。問題は、その無意味さに気づかないような人は、そもそもシュリンクした生活になど入らない、ということだろう。
じゃあ、非モテ非コミュは引きこもりにでもなるしかないのか?
斎藤環と同じMAMMO.TVのインタビューで、オーケンが面白い解決策を披露している。

元ボクシング選手が「そんなのは、とりあえずボクシングやればいいんだ」と、けっこうむちゃくちゃなこと言っていて、それと同じかもしんないけど、俺はとにかくバンドやればいいと思うんだ。楽器できなきゃボーカルやればいい。ホントそう思うんだけどなー。

「もてない、表現できない、さえない」という三重苦なら「三重苦」という曲を書けばいい。「俺はもてないー」と歌えばいいんだよ。

#020 ダメ人間たちよ、ロックをめざせ! 大槻 ケンヂ さん(ミュージシャン)
http://www.mammo.tv/interview/archives/no020.html

これだ! とりあえず何でもいいから3人集まって、バンドをやってみる。バンドじゃなくても、とにかく全員で外に発表するためのなにかを作る。そういえば、俺も映研でこうやって、なんとか社会とギリギリ切れずに済んできた気がする。