妖異金瓶梅

異常なのはやっぱ怪僧の部分だけだったようで、さすがキリシタンものは気合の入り方が違うようだ。山風が忍法帖を書いたいきさつは、本人のエッセイによると

  1. ミステリから時代物に、徐々に本人の興味が移っていたころ
  2. ミステリの原稿料が払えなかった会社が、『金瓶梅』をかわりに送ってきた
  3. それをカネに換えるために読み、作品として結実したのが『妖異金瓶梅
  4. 金瓶梅』と同時代の設定の『水滸伝』にも興味を抱く
  5. 水滸伝』では武器は108種ないので、それだけの種類の忍法(忍術)を使って小説を書くことを思いつく
  6. 甲賀忍法帖』に結実。以下、忍法帖を続々執筆

とのことだから、そのへん含め、忍法帖誕生前夜の作風の変遷が、この一作に垣間見えて面白い。