同日同刻

山田風太郎が厳選した資料による、太平洋戦争開戦日と終戦15日間とのドキュメンタリー。
山風的にはただネタを並べて見せただけかもしれないが、その読書感覚はまさしく山風小説のソレ。『妖異金瓶梅』や忍法帖の大多数、そしてなにより『幻燈辻馬車』などに顕著な、「破滅への予感」で全編が覆い尽くされている。