キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー

別の映画を観るはずだったのに急遽途中入場。そのため最初の10分を観てないので、トンチンカンなこと言っててもご容赦のほどを。

で。
シマシマハラマキのおっさんことキャプテン・アメリカも再映画化。
ビックリするほどツイストのないストーリーだが、このウェルメイド感はキャプテン・アメリカ自体のパーソナリティ=高潔で面白みのない正義のヒーロー(DCでいうスーパーマンと同じ)と合致してて、映画としての印象は意外と悪くない。

個人向け戦時国債キャンペーンのシンボルキャラ(!)として「キャプテン・アメリカ」が初めて登場するシーンや、その衣装のまま敵の秘密基地に潜入するあたりとか、あきらかに「この話オカシイ!」と思える分かりやすいツッコミどころを要所要所に配し、このキャラで実写映画をやる際に付きまとう「アメリカ万歳」的な臭みをうまく散らしているのが上手い。この「アメリカ的だけと右翼的じゃない」微妙なバランスは、世界配給映画を作るに当たってのお手本のよう。
また、キャプテン・アメリカ特有の武器である「盾」についても、「この盾でしか防げない敵の超兵器」を登場させ、その独自性・特権性を生かすよう苦心の跡が見え、なるほど、特殊能力を持たないこーゆー地味なヒーローをヒーローとして成立させるノウハウ*1はかなり勉強になった。

残念なのは、やっぱラストシーン。
これのせいで単体の作品じゃなく、2時間の予告編を見せられた気分になった。ただでさえウェルメイド感溢れる映画なんだから、そんなオチを持ってこられたら、元から薄い作品の印象が飛んじゃうよ。
あ、あとぜんぜん関係ないけど、軍服+巨乳のコンボがまぶしいヒロイン(あんま美人じゃない)がメッチャ喧嘩っ早く、『スカイキャプテン』とか『ブラックブック』とか、あーゆーオテンバ映画が好きな人は是非。もちろんツンデレありです。

*1:これはたとえば、スパイダーマンなら移動のスピード感、バットマンなら「夜」と一体化させるビジュアル、などのように本来キャラクターごとに異なってくるハズ。