SPACE BATTLESHIP ヤマト

『REDLINE』に続いてキムタク主演2連発!ということで俺ももう立派なキムタクファンだと思いますがというか今回、キムタク主「演」というのは間違いで、べつに演技してません、スマスマでお馴染みのいつものキムタクです。で、素のキムタクなのにお話はヤマト、ってのをやろうとすると、そうです、あの月曜ドラマランドが21世紀に蘇ったワケです!日テレ(読売テレビ)の本放送ではフジの裏番組『アルプスの少女ハイジ』にボロ負けしてたTV版ヤマトを巧妙に暗示する斬新な演出だと思います。ていうかキムタクのすべてのセリフのあとにいつ「メイビー」が来るかハラハラしてて内容集中できなかったんですが、そういやこんなところでもフジテレビリスペクト!開局60周年記念作品にかけるTBSの意気込みと懐の深さを感じないわけにはいきません。
で、お話は無印「ヤマト」「さらば」の切り張りですがエピソードや設定や演出はギャラクティカやらスタートレックやらのまんまパク…オマージュで、オリジナリティらしきところがほとんどないにもかかわらず135分もの長尺を実現しており、これは『リターナー』で116分しかパク…オマージュを続けられなかった山崎監督の更なる成長の証と言えましょう。『K-20 怪人20面相・伝』のラストでまさかの「カリ城」まんまをやりやがった*1佐藤嗣麻子の脚本は本作でも快調で、黒木メイサが「例によって」自立した女風に描かれてるよーに見えて実は単なるデレツンデレで、つーかコイツ含めどいつもこいつもキムタクを意味なく過剰に持ちあげて「お前はスゴイ!」と言い続けてるのはジャニーズ補正が無限に広がる大宇宙においても健在である証でありこれぞまさに21世紀のリアルを活写したドラマと言えましょう。もちろんそんなヨメ佐藤嗣麻子の頑張りに応えるダンナ山崎貴の演出がハンパなものであるはずもなく、ギャラクティカ愛を存分に発揮してヨメにも劣らない裁判スレスレな熱きリスペクト魂*2を見せつけてくれます。この現代に失われた豊穣な夫婦善哉っぷりは『機動戦士ガンダムSEED』と今後並び賞され、「アニメを夫婦善哉で実写化」した勇気ある先行作品『デビルマン』の再評価に繋がるに違いありません。
そして俺はROBOT×白組の映画はいい加減もう観ない方がいい。