機動戦士ガンダムUC 1巻

初っ端から大虐殺! 福井晴敏のディザスター描写はやっぱスゲェ。
ラプラスの箱」はしばらく単なるマクガフィンのままになるんだろうが、UC元年に原因があった、ってあたりで陰謀モノとしてのスケールを確保しているのもやはり上手い。
あと、やはり富野監督(というかアニメの監督全般)の弱点「現代との接点が希薄で作品として残りにくい」という問題を、流行作家福井晴敏は「西暦から宇宙歴の転換点」を描くことで、普通に現代と地続きにし、ガンダム世界を社会科学系SFの定番「現代の問題が持ち越された未来」に再解釈することを成立させている。すげえ力押し。誰でもできるこっちゃない。
まだ第一巻はキャラ紹介という感じだが、『Op.ローズダスト』の終わりがアレだっただけに、今作で「めぐり逢い宇宙」の後、をどう方向付け、原作者すら見失った着地点をどうするのか、同世代のオタクとして興味津々。