インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

あらゆるところから加齢臭をまき散らす新作。
もうジジィとなった主演俳優と、親子ほども年の離れた若手のコンビ、というのは前年の『ダイハード4.0』と同じ構成で、21世紀型のドッカンドッカンCG大爆発映画になってる点も同様。どーもルーカス、スピルバーグはもう一人のジジィ、前作に登場したショーン・コネリーをどーしても引っ張り出したかったようで、明らかにそーゆー脚本になってるにもかかわらず、引退したコネリーは出てこないので逆に、妙に爺さんの存在感がある映画になってしまった。
今回は、オカルト大好きヒットラーはもう死んで、やっぱりオカルト大好きスターリンアメリカの敵として設定され、赤狩り旋風吹き荒れる冷戦初期が舞台。
でここで、また加齢臭。もともと『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』を撮ってるSF大好きなこのコンビが、今回、オカルトと古代ホラーをミックスして新境地を拓いた「インディ」シリーズに、いまごろSFを導入する暴挙。いや、いままで自制してたやん! なんでできないの? やっぱ歳なの? ボケちゃったの!? とか思わずにはいられない。クレイグ・ボンドの最新作が『ムーンレイカー』になるクラスの時代錯誤。
ところで今回もいろんなシリーズ的お約束がきっちり網羅されてた(シリーズで同じスタッフ構成の賜物)が、「すごい剣さばきのヤツを銃でズドン」がなかったのは残念。まぁ、ナイフ使いの見せ場を取っちゃイカンよね、父ちゃん。てことらしい。いつの間にか本人の象徴まで祭り上げられた「あの帽子」があまりにも大仰に演出されるのが、なんか『マスク』の仮面のよーだ、と思ってしまった。まぁ、大差ないか。