ヴァン・ヘルシング

続けて見るような映画でもないが、いやしかし異常なまでに分かり易い。脚本は盛りだくさんながら、何か起きるたびにその場でイチイチ説明台詞が入るので伏線がどうこうとか気にすることなく、メリハリのないアクションシーンの連続に身を任せていればよい。
やたら攻撃的なヒロインが超現代的で、主人公のダークヒーローっぷりが霞む大活躍。ていうか主人公結構弱くね? 『ドラキュラ』のヘルシング教授(アンソニー・ホプキンス)のほうがよっぽど強かった(し怖かった)よーな。
リーグ・オブ・レジェンド』(以下LXG)との比較で話すなら、やはり相当カブってる印象を受けた。ハイド氏との対決、ドラキュラと蝙蝠の関係、開発中の機関銃、オカルトと科学の融和などなど。まぁLXGとまったく同じ時代だし、『ドラキュラ紀元』のうち、LXGが捨てたネタの落穂拾い、と言えなくもない。あとはイギリスの秘密組織だったLXGと違い、こっちはバチカンの私兵、…ってそれ今度はマンガ『ヘルシング』のアンデルセンとカブってますが。これはイギリス臭が強すぎるとアメリカ人の観客に受けないから、とか? ショーン・コネリーがイギリスの秘密組織リーダー、というセルフパロディがあるLXGに対抗してか、こっちにも「Q」にしか見えないキャラクターが出てきて大活躍。
ティーブン・ソマーズはこーゆーマジなガチアクションより、オープニングの『フランケンシュタイン』オマージュ(どーでもいいがこのシーン、ティム・バートン映画で3回くらい観てるのでけっこうオナカいっぱい)に見られるような、お遊び的なノリのほうが才能を発揮するようだ。ユニバーサルロゴの処理なんか、『インディ・ジョーンズ』や『シザーハンズ』を彷彿させて楽しい。