英国産ゲーム

昨日の続き。記憶の底から英国産ゲームを掘り起こしてみる。
最初に意識したのはいまは亡きPsygnosisから。美麗なグラフィックとフラクタルエンジンで名を馳せ、当時のユーザーに衝撃を与えたが、ゲームは遊べないのが多かった。当時、俺は勝手に「イギリスのテレネット」呼ばわりしていた覚えがある。
そんな中、AMIGAの『ウォーカー』は面白かった。販売はPsygnosis、制作はDMA Design。しばらくこれにかなり影響された。同時期、『レミングス』も発売され、これは世界中で大ヒットした。ジャンルとしてはパズルだが、このゲームは後のいろいろなSLG系のゲームに影響を与えている、と思う。
で、その後Psygnosisは凄いデモとめちゃくちゃなゲームバランスをひっさげコンシューマに参入、多数の人々を不幸に陥れたあと、PlayStationの標準ライブラリを作るようになり、PS2登場とともに姿を消した(『FORMULA 1』『THE GETAWAY』のSCEEロンドンになった?)。後期は『ディストラクションダービー』『ワイプアウト』など、独自の視点を持った「遊べる」ゲームを多数輩出していただけに残念だ。
Psygnosisと同時期、『ポピュラス』でBullfrogが台頭した。Bullfrogのゲームデザイナー、ピーター・モリニューはその後PCで続々オリジナルな視点のSLGを発表し、現在のRTSに多大な影響を及ぼした。
Psygnosisに続きコンシューマの世界で名前を売ったのはCORE Design。PCではぱっとしない会社だったが、MEGA-CDで出した英国産アウトランとも言える『JAGUAR XJ220』、俺の生涯5本の指に入る大傑作『サンダーホーク』などを制作、その勢いに乗って『トゥームレイダー』をリリースし、これが世界中で大ヒットした。
トゥームレイダー』は仏Delphine Softwareの2Dポリゴンアドベンチャー『Out of This World』と『Flashback』、(同じく仏infogramesの『Alone in the Dark』に影響されて)3Dになった『Fade to Black』のシリーズに連なる形で登場した。リアルタイムゲームを得意とする同社らしい、アクション要素の高いゲームで、現在のあらゆる3Dアクションアドベンチャーに影響を与えている。
で現在。
CORE Designは細々と生き残っているが、大出世株はDMA Designだろう。『Grand Theft Auto』シリーズは3作目にして歴史的な大ヒット作を飛ばし、名実ともにゲーム界を代表するタイトルとなった(販売は米Rock Star)。
FPSが強いアメリカ市場で3人称3Dアクションゲームが定着してきたのは、『トゥームレイダー』『グランドセフトオート3』に依るところが大きい。そう考えると、イギリスは日本人好みのゲームを生む宝庫だ。美的センスの籠もったグラフィックや、フレーム単位の細かい調整に気を遣うところなどはまさに日本人好み。最近は米パブリッシャーの下請けになっているところが多いが、実は敵として一番気をつけなくていけないのはイギリスのような気がしてきた。
……個人的には英国産は大好物。ヘリゲー多いし。