巨神兵東京に現わる

特撮博物館いけなかったので、なんやらエバQの前座でやってるよ!という話を聞きつけイソイソと劇場へ。
映像はさすが日本特撮技術の集大成だけあって、アイディアも豊富でカネも手間もいっぱいかかってて面白かった。ただ巨神兵のスケールもめちゃくちゃだし、ディティール描写も凸凹があってリアリティはあんまなかった*1かな。あくまで、「特撮として」楽しむ感じ。
…のワリに、意外なほど「お話」寄りなのにはびっくり。なんか綾波がナレーションしてるし。ナウシカに直接繋がるようになってるし。でも、『ラブ&ポップ』みたいなライブアクション含め、この作品にはお話や批評性は要らなかったと思う。パロディなんだし。自分らの作る映像に自信があるのなら、映像に言葉で意味をゴテゴテくっつけるような真似は自制して欲しかった*2
短編としての切れ味はないけど、大画面で「特撮らしい特撮」が観られる数少ない機会としては堪能いたしました。

*1:こちらが「ハリウッド的リアリティ」に慣らされすぎた面もある。ラッセル・マルケイあたりがよくやるビルのガラスが一斉に割れる爆発演出とか、あーゆーお約束的なケレンがないと、それだけで昔の日本の特撮だと脳が判断してしまう。

*2:このあたりは後述するエバQとまったく逆で、ホントのところはわからないが、「みっともなくお話に執着する樋口真嗣」と「お話に興味を失いつつある庵野秀明」という対比がぶっ続けで上映される趣向。