エネミー・オブ・アメリカ

NSAネタをちと仕入れねば、ってことでコレ。
うーん、ブラッカイマー。脚本はスリラーなんだが、映画のけっこうな時間は単なるアクションに費やされ、全体としてもアクション映画になってる。けっこうリアリティを犠牲にしまくってるし。まぁトニー・スコットだから元々リアリティ云々は気にしてないとは思うけど。その長いアクションシーンに入るとストーリーがまったく進まなくなるので、アクション映画なのにアクションシーンを早回ししそうになった。
ウィル・スミスはいつものキャラで、好感度は高いんだろうが面白みはない。それより、ジョン・ヴォイトvsジーン・ハックマンという、老ブルドッグ同士のガチンコ対決が見もの。正直、二人が出会うシーンがクライマックスといっても過言ではない。これがイギリス映画だったらコネリーvsホプキンスとかになるとか。
NSAの描写は思ったより少なく、しかもデフォルメが効きすぎ。NSAお抱えオタクハッカー役のジャック・ブラックと、こないだ観た『ダイ・ハード4.0』の市井のオタクハッカーケヴィン・スミス*1があまりにも被りすぎてて笑った。こーゆーデブがアメリカ人の「凄腕ハッカー」のステレオタイプなのか。
ラストシーンだけ、テクノスリラーから『トゥルー・ロマンス』になってて笑った。そう来たか、トニー。冒頭シーンの重厚さも吹き飛ぶ、腰が砕けるほどアクション映画。9.11以前のこーゆー映画って、いま見るとスゲェ能天気な世界観に見える、ってぇところに、いろいろと考えさせられた。

*1:これは『エネミー〜』ではハックマンが演じた役に近い