ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

これもいまごろ。
んー? エヴァってこんな話だっけ?
いま見ると、けっこう見るに耐えない部分も目に付くなー。まったくどいつもこいつも観念的すぎ。こないだの『428』カナン編と同じ、オタ向けコンテンツ特有のキャラの生硬さ、饒舌さに、いい加減オッサン化したこっちが耐えられなくなってきてる。あと、軍隊語を喋るのにとても軍人と思えない身勝手な人たちとか。
シンジのキャラが若干変わり、逃避的性格が薄れている。また、ラストあたりのシーケンスとか、ディスコミュニケーションどころか、オヤジの愛人をNTR*1んじゃねーかってほどコミュ巧者になってて、世の非コミュたちのイコンから逸脱(解脱?)っぷりには、まさに隔世の感がある。んだもんだから、旧作の名台詞をそのまま喋るとちょっと違和感あり。ここまで旧作のエッセンスを詰め込む必要があったんだろうか。
どちらにしろ、旧作ほど自省の物語にはしないようだ。監督がちゃんと作品と距離をとっているのが感じられる。ただ、旧作最大の魅力って、そこ(「壊れる監督」)にあったと思ってるので、熱量のずいぶん抑えられた今シリーズが以前のような共感/反発の巨大なリアクションを生むことはない気がする。
映像的には都市のディティール描写に格段の進歩というか進化というかこだわりが見受けられるが、いまのところ(セカイ系の原点らしく)社会性のない物語なので、まったく感じるところがない。それとも、今後テーマなり何なりでからんでくるんだろーか。
そうそう、オタ方面の「内務省」ブームって、エヴァからだったんだ?

*1:愛人を奪うことによる、父親越えの物語になってるよーに見える