先日の日記のバックボーン

島国さんとこでリンクしていただいたり、はてなスターをいただいたり。
ただ、シンクロニシティではないかもしれないな、と。
こちらの火種はこれ。

西垣氏は伊藤忠商事の取締役会長 丹羽宇一郎氏の「入社して最初の10年は泥のように働いてもらい、次の10年は徹底的に勉強してもらう」という言葉を引用し、「仕事をするときには時間軸を考えてほしい。プログラマからエンジニア、プロジェクトマネージャになっていく中で、仕事というのは少しずつ見えてくるものだ」と説明。これを受けて、田口氏が学生に「10年は泥のように働けます、という人は」と挙手を求めたところ、手を挙げた学生は1人もいなかった。

http://www.atmarkit.co.jp/news/200805/28/ipa.html
IPAイベントにて
「10年は泥のように働け」「無理です」――今年も学生と経営者が討論

で、関連性については憶測の域を出ないが、伊藤忠丹羽宇一郎は「日経ビジネス」4月14日号に「新社会人よ、3年で辞めるな」というタイトルの一文を寄せている。

http://bizboard.nikkeibp.co.jp/kijiken/summary/20080421/NB1437H_1228386a.html
終わらない話 オピニオン
新社会人よ、3年で辞めるな 丹羽 宇一郎[伊藤忠商事会長]

リンク先でも一部書かれているが、登場するのは天下の伊藤忠の会長、フィギュア世界ランク1位の浅田真央国民栄誉賞高橋尚子、そして記事の後半に出てくる元住友銀行頭取の堀田庄三。
どう考えてもそれぞれその世界の1%にも満たない、極々一部の頂点だけの「実例」がさも一般論であるかのように語られる。
そんな人物が、

しかし、幸運に恵まれたほんの一握りの人を基準にするのは間違いだ。
(本文より)

として、下積みの努力はいつか報われる、などと説くわけだ。
どちらが本当の「ほんの一握り」なのだろうか。
報われた人≒成功者の言葉など、もはや単体では意味をなさない。丹羽会長とともに、新人時代に伝票の書き写しをしていた同僚は何人いて、いまどうしているか? その辺の確率を提示しないのは、成功確率を教えない手術で「こんなに元気になりました」というのと同じだ。どちらも、かかっているのは人生なのだから、迂闊な(もしくは利己的な)発言で若者を惑わせないでほしいものだ。