月に繭 地には果実

読了。
結局、「ホワイトドールの石像が動いた!→勝手にぶっ放したビームライフルで未曾有の大災害」のところが一番面白いトコだった。
ラストあたりに秒単位で数万〜数百万人が大殺戮されるシーンが月、地球並行に描かれるが、これってアニメ版とは違うらしい。このへんのセンスは富野っぽくない(高千穂遙っぽい?)、というか、ふんだんな核兵器の被害描写含めて、これってやっぱり『終戦のローレライ』への布石になっている。
あとやっぱり、キャラクターがツラいなぁ。
グエンは意味もなく「いやらしい男」という描写のまま出ずっぱりだと思ったらGガンのウルベ少佐だったし、それに振り回されるキエルの支離滅裂な電波っぷりもそれはそれでスゲェ。鳴り物入りで登場したギム・ギンガナム*1とターンXに至っては単なるかませ犬で即退場。なんだこりゃ。このギンガナム、そーゆーキャラ付けがされてないのに、なぜか戦闘シーンでだけシャアみたいな「イデオロギー論吹っかけ+物理攻撃」コンボを使ってくるから、作者がなんか構成を間違った*2のかと思ったよ。まぁ、福井晴敏の富野アニメ観が分かったというか、私的な富野論としては面白く読めた。

*1:それにしても、こーゆーネーミングはトミノ世界以外に出すにはキツイ…

*2:ホントは他のキャラが戦うはずだった?