バーサーカー 赤方偏移の仮面

読了。「皆殺し軍団」の何でもござれなごった煮ぶりはないが、連作形式を生かしたトリッキーな短編の数々に、思わずニヤリとさせられる。設定から想像される、人間vs機械の(普通の)戦闘シーンがあまりなく、いちいち外伝的なエピソードなのは、一筋縄ではないあまのじゃくを作者に感じる。
とは言え、その数少ない直球の戦闘もきちんと描かれ、ラストを“王の帰還”で締める手堅さもあり、セイバーヘーゲンって、なんというか、いわゆるオールラウンダーなのだな。解説にもあったけど、そーゆーとこがアンダースンっぽいのかも。60年代臭をほとんど感じないところはスゴイ。
邦訳の出てるのはあと1冊、「星のオルフェ」のみ。うーん、このシリーズ追っかけようとするなら、やっぱ英語勉強しないとダメだよなぁ…。