後藤隆幸画集 Gの旋律

どんだけ待たされたんだか。去年の誕生日に貰えるはずが、クリスマスプレゼントとして届いたよ。
後藤氏と言えば、俺にとってはやっぱり「ジリオン」の人、なワケだが、IGの取締役ながら、氏の作品や絵柄の傾向はIGのパブリックイメージとカケ離れているから*1、そのギャップに苦しんだり悩んでいる過程が、参加作品の選択や、絵柄そのものに現れていて、後半に行けば行くほど苦しい気分になってくる、不思議な本になっている。
しかし、この本で断片的に提示される後藤さんのキャラクターには頭が下がるね。柔和で粘り強く、責任感があり、質が安定していつつも、ここぞというときの踏ん張りもきく。こりゃ重宝されるよなー、でも本人はあんまりやりたい傾向の作品じゃなかったりして(でもそれは取締役として人に振れない仕事だったりして)、その苦悩が、他人事ながら報われているといいんだけど。なんか、リーマンクリエイターとして妙なところで非常に共感を覚えてしまった。
最近はめっきり描かなくなったが、たまには画集もいいかも。

*1:さらにいえば出世作の「ジリオン」すら、氏本来の嗜好からは外れている