忍法双頭の鷲

ひさしぶりの山風。面白いが、これまでのところはまぁ、(山風作品の中では)凡作レベルか。主人公が二人いるが、ほとんど同じ人格なので、いまんとこドラマとしては役立ってない。複数の公平な視点を要求するから、同じ人格の人物をそれぞれのカメラとする、とかのへん、やっぱミステリ作家だなぁ。
山風に多い短篇連作形式だが、これもラストに強烈な負のカタルシスが来る予感。『明治断頭台』『外道忍法帖』クラスはそうそうないと思うが、『忍法封印いま破る』くらいの破綻はありそうな気がする。