ぶらぶらドンキー

最近出た2ボタンのゲームに、PSPの『ロコロコ』と、本作がある。
ロコロコは『キャメルトライ』風のシステムを、スーパーマリオ以降のACTゲーム文法と、SCE黄金期のポップなデザインとでオブラートに包んだ、意外にというか真っ当にというか、古臭いゲームだった。
操作で気になったのは、L/Rのダブルクリックによる「ジャンプ」。普段のL/Rの使い方は「画面の傾け」だから、ここで操作対象が「画面」から「キャラクター」に変わってしまう、一貫性を欠く仕様となっている。
で本作。
任天堂の手が入っている(開発はPAON)だけに、そのへんの一貫性には問題ない…かと思ったのだが、そんなことは全然なかった。これも「グリップを握っていない/いる」状態で操作対象が「キャラクター/キャラクターの手」に変化、という、直感的でない使い分けを強要してくる。さらに悪いことに、「グリップを片手で握っているときは必ず内側に回転する」という、これまたあまり直感的でないルールが加わり、さらにゲームバランス調整がその回転の「角速度がなぜだか知らんが常に一定である」ことに依存しているから、相当の違和感(≒ストレス)を抱えつつゲームをするハメになる。
実際、交互にLRを押して登っていく感覚は『クレイジークライマー』を彷彿させて楽しく、また馴れさえすれば他のゲームでは味わえない独特のアクロバットプレイが楽しめるのだが、現状の操作仕様では、ユーザーにそっぽを向かれてもある意味必然だろう。
「LとRだけで操作!」がウリの割に、地上や空中での左右移動は十字ボタンも対応している*1あたり、コンセプト倒れのような気がしなくもない。

*1:この使い分けは理には適っているが、実際には煩雑過ぎて遊べない