ぷちナショナリズム症候群
読了。本文は大雑把にいうと「ぷちナショ現象」「エディプス神話崩壊」「まとめ」に分かれるが、それぞれの関連づけが強引で、これまで読んだ香山リカの作中もっとも説得力がない一冊。こう言ってはなんだが、ナショナリズムを過剰に忌避する姿勢ばかりが目立ち、左翼っぽさが臭ってくるのも減点。
個々の項目はそれなりに面白い。自分なりに整理するなら、
- ナショナリズムの「記号」が、ナショナリズムと切り離して使われるようになった(=ぷちナショナリズム)
- 若者は、「父」以外の依存し、のちに超える(もしくは同化する)存在を欲している
- ブルーカラーは貧困時にシンプルな変革を求める
- 誰かが(本物の)ナショナリズムを煽った際、ぷちナショがその敷居を下げているから、一気に若者、貧困層に広まる可能性がある
こんなところか。
「<切り離し>をせずに、歴史や現代社会と向き合う」*1との結論には大いに賛同したい。*2まだ芽の段階だが、できるなら仕事としてやりたいところ。