イノセンス

いまどきの映画のクセに、CGとセルの合成にエラい違和感が。質感と、ディティールの量と、フレームレートの点で。特にオープニングのアンドロイド製造シーンがまるまるCGなもんだから、その後アニメの人物が出てくると急にちゃちい感じになる。既にアニメで作る意義を感じない。映像的には『アヴァロン』の方が一貫していた、と思う。
そして内容はほぼ舞台劇。バトーと誰かが観念的な会話を交わし続けるのを、観客代表のトグサが「なんの話だ?」「いい加減、仕事の話をしようぜ」とツッコミまくる。しかも監督が語りたいのはその観念的会話の方なもんだから、ストーリー進行にまったく求心力がなく、ただボーっと聖書がどーとかミルトンがどーとかばっかりを聞かされて、これで眠くならない方が難しい。それでも『イノセンス』って題名はテーマではなく、(たぶん)ストーリーの方のオチに使われてるから、これがまたややこしい。宣伝にダマされて観てしまった一般ピーポーはいい迷惑だ。
こーゆー映画なら、映像に金をかける必要もないし、アニメでやる必要もないし、原作も要らないし、イトイのコピー*1もディズニー資本も要らない。舞台劇、もしくはラジオドラマがもっとも適切な媒体だと思うがどうか。

*1:いま考えるとアノ「イノセンス それは いのち」とゆーコピーって一体何だったんだか…