ポケモン・ストーリー

スタイルとしては、今まで読んだ『タカラの山』とか『遊びのチカラ』とかの企業礼賛モノと同じ。山内、横井、宮本、田尻を「神」「天才」と過剰に持ち上げるところも同じ。
しかしあれだな、「ゲームマニアが昂じて自分でもゲーム作った」人は他にも多く居たのに、結局は「ポケモンを作った田尻だけが特別な天才で、あとはただのゲームマニア」とするレッテル張りは非常に不愉快だ。ビジネス的な結果だけ見て「あいつは天才、あいつはクズ」と分類するのはこの筆者の世界では日常茶飯事なのだろうが、それがこの本を通して子供の「あの人みたいになりたい」に繋がる*1のなら、なんでもいいから儲けりゃいい、って理解になりそうだ。いま東京拘置所にいる誰かみたいに。
個人的に、ポケモンとかどこいつとかの、既存の遊びをうまくゲームに落とし込んだ人は「天才」よりも「匠」と呼びたい。本当の天才は、ゼビウスとかテトリスとかシムシティとかパラッパとか、あーゆー未知の快感を創造する人だと思う。

*1:本書は「子供と読めるビジネス書」を謳っている