ハウルの動く城

どいつもこいつも奥歯にモノの挟まったよーなことしか言わないハウルをかみさんが借りてきたので、ついでに鑑賞。
はじめのうちはスロースタートで、まぁそのうち面白くなるんだろう、と思って観ていると、今度は途中からガクンと脚本にも演出にも余裕がなくなり、素材をただ陳列しているような状態に。一体なにがあったんだ? というか、コレやっぱ例の監督降板劇の影響としか…。
キャシャーンと対称的に、戦争はあくまで背景にしか過ぎない世界なのに、二次大戦世代のリアルな「戦争の画」が入っているのが更に混乱を深めている。本作での戦争は『マクロス』『ローレライ』レベルの浅さで描かれるべきで、その分、ソフィーとハウルが相思相愛になる過程をきちんと描き、少なくともきちんと観客を「乗せ」続けるべきだった。なぜ『耳をすませば』の脚本でできていたことが、今回できなくなっているのだろう? 監督交代で時間がなかったのか、それとも老い*1か?
結論。『最終兵器彼氏』のなり損ね。

*1:前半部に『猫の恩返し』的シーンが頻出するのは対抗意識なのか説教なのかも気になる