映画風の谷のナウシカガイドブック
突然本棚の奥から発掘。公開当時に買った本なので相当ボロッちい。当時中坊の俺が何を考えてこの本を買ったのか今となっては定かではないが、たしか映画を観る前に購入後、ワケわからん内容に失望したような。
で。
いま読むと相当面白い。押井守も既に明確に対立を打ち出し、主に世代の差を押しているが、押井監督の理詰めの演出は高畑演出にこそ近く、どっちかと言うと高畑監督との対談が読みたくなった(特に『ホルス』をめぐるあたり)。あと、河森、庵野、今川などの、押井のさらに次の世代との対談とかも。
その後のフィルモグラフィーがすべて自らの脚本であることを考えると、宮崎駿は『ナウシカ』から演出の師匠(高畑勲)から完全に独立した作家となったと見ていいだろう。とは言えテーマ的には各作品それぞれに、初演出作の『コナン』を含め、過去作の影が見え隠れする。
- カリオストロ … ていうかテーマ以外コナンそのまんま
- ナウシカ … インダストリアとハイハーバーをメインに持ってきた話
- ラピュタ … エスコートヒーロー物の頂点。コナンマイナスナウシカ、とも
- トトロ … パンダコパンダの再歌
- 魔女宅 … 母をたずねて三千里の再歌
- 紅の豚 … カリオストロの再歌?
- もののけ … ナウシカの再歌
千と千尋、ハウルはよくわからない。ただ、主人公は共同体の構成員でない「浮いた」存在であること、トトロを境に主人公の目的がどーでもよくなること、あたりに、宮崎アニメの独特の視点と、その変化が見える気がする。ハウルとかまだ見てないが、最近の傾向からすると、感情移入に失敗する客が増えていそうだ。
メモ。