ラルフ124C41+

ガーンズバック自らが書いたSFクラシック。むかし、銀背のを買ったきり放置してたのを読み始めたが、ウワサ通り(かそれ以上)の「科学啓蒙小説」っぷりがスゴイ。
これの連載第一回目はガーンズバック自身が発行するラジオ雑誌の穴埋め、という伝説があるが、確かにあとさき考えてない、頭にあるネタをそのまま突っ込んで、よくあるストーリー骨格(ボーイ・ミーツ・ガール)をとりあえず「繋ぎ」に使って体裁をギリギリ整えた小説、という印象。ガキの頃たまに読んだ『子供の科学』の未来小説なんかもこんな感じだったような…。
思考書記機なんかはまだ完全にSFだが、なまじ実現したガジェットの現実とのズレ(TV電話も交換手を通すとか)が、スチームパンク的面白さを醸し出しているのは意外な収穫。