老人Z

大友克洋がらみのアニメとしては、MEMORIESの『最臭兵器』によく似ている。というか同工異曲。へたすると同工同曲。
トヨタが医療用ロボットに本腰」とかのニュースが飛び交う今、この作品のテーマは非常に今日的だが、とことんテーマを押し出さず、娯楽に徹した北久保演出により、肩の力を抜いて楽しめる。が、人によっては肩透かしかもしれない。同じ大友、江口がらみのアニメには今敏(本作にも参加)の『PERFECT BLUE』もあるが、今監督が濃厚な作家性(PERFECT BLUEと本作のラストシーンの違いと来たら!)で世界に羽ばたいたのに比べ、北久保監督はゲームのムービーとか、なにやら微妙な仕事が多い印象を受ける。
おばあさん(擬似人格)の「ハル」ってのがあからさまに2001年の「HAL」で笑った。赤ランプ(ちゃんと、しゃべってる時に点滅したりしないのだ!)だし、そもそも「Z-001」って「2001」だよな、とあとから気がついた。
しかし『最臭兵器』といい、これといい、ブラックコメディ調(本人のマンガに近い)だと大友脚本も面白いなぁ。超クソのメトロポリスは話題性のためだけに連れて来られたのかな。