遊びのチカラ

またビジネス本、こちらはナムコのサクセスストーリー。売上高の表はあるのに経常(営業)利益の表がないとか、2000年の赤字転落&大リストラについて触れてないとか、かなり(ナムコだけに!?)「太鼓持ち」な内容。
創業者中村雅哉の一代記として読むなら、これはこれでなかなか面白い。やはりナムコは最新CGで人を惹きつけるとか、度肝を抜くとかの(セガがよくやるような)「引っ張る会社」ではなく、ちょっとした気遣いでくすぐってあげる「押し上げる会社」なのだろう。となれば、現場とお客のコミュニケーションが希薄なコンシューマゲームでこの会社が低迷するのも当然か。あれ、でも任天堂は「押し上げる会社」なのにうまくいってるな。リッジとか鉄拳とかで前者のイメージになってしまったのが今の敗因なのかもしれない。
本同士もそうだが、「カリスマ創業者によるワンマン経営をどう変化させる(た)か」という視点で読むと、タカラとナムコは恐ろしいほど似通った会社であることが分かる。壮絶なイニシエーションを経たタカラと違い、ナムコはまだそれほどの修羅場をくぐっていないし、社員の方向性もタカラとちがってバラバラだ。となると、今後の経営統合バンダイに食われる可能性は高そうだ。はてさて。