ビッグ・フィッシュ

法螺吹きおじさんの話をビジュアル化、と聞いてティム・バートン版の『バロン』か!? と思ったが、実際は同じギリアムでも『フィッシャー・キング』の方だった。題名も似てるが現実とファンタジーの(監督の)折り合いのつけ方なんかもうクリソツ。
あと今回、なぜか非常にクストリッツァ的な画が多くて驚いた。死と魚、現実に侵入するファンタジーなど、モチーフがカブってるというか、そもそも原作が非常にクストリッツァ的なのでは、という気がする。その幻想をファンタジーとして描くのが(現時点での)バートンで、力押しで「これが現実だ」と言い切ってしまうのがクストリッツァなのだろう。『アンダーグラウンド』によく似たラストエピソードのシーンが、バートンとクストリッツァとの類似と断絶を鮮やかに見せてくれ、これはこれでいい映画だが、今後の先行きに若干の不安を感じてしまう。まぁ『猿の惑星』を払拭しただけでも大したことだが。