夕凪の街桜の国

先輩の推薦図書。社会派に転向した漫画アクションを象徴するようなマンガで、たしかにいい本だと思うし、これで初めて原爆(と放射線汚染)に興味を持ってもらえる教育効果も大いに認めるのだが、個人的には特に感慨はなかった。なんというか、既に知っているし、理解しているし、認めている(すべてつもり)ことが描かれている気がする。原爆に限らず、また戦争に限らず、人が人に対して行う悪意と悲劇は際限ない。その現状を認めつつも、「よりよく」を求めて生きていくしかないのがいまの現代人だと思うのだが。
この本が悪いわけではなく、俺がそもそもこの本の対象読者ではなかった、ということなのだろう。