あどべんちゃ

本邦のコンピュータゲームにおけるADVの歴史は、一度途絶したと考えている。
PC-8001からPC-9801に至るPCゲームの歴史では、二度ほどADVのブームが起きている。マイクロキャビン、ハドソン、T&E等の「言葉さがし」グラフィックADV時代と、堀井雄二が始め、リバーヒル等が支えた「コマンド選択」時代。この第2次ブーム当時のマイクロキャビンがアニメ作品のゲーム化を推し進め、遂にADVの存在意義は「画面いっぱいにグラフィックが表示される」点に集約された。
その後、データウェストがアニメーションを売りにした「第4のユニット」シリーズでADVに止めを刺し(その一方でテキストのみの本格ADV『MYSTY』も出していたのだが)、PCエンジンなどのCD-ROMマシンとエロゲー業界にのみ愛されるマイナージャンルと化したADVは、システムの退化、解体が進んだ。
海外では『MYST』が爆発的にヒットし、「ビジュアル美麗・理不尽系」とでも言うべきフォロワーを大量生産。これが日本に輸入された同じ頃、チュンソフトサウンドノベルシリーズを生み出し、ここでADVユーザーは世代交代する。
チュンソフト系の面白さも分かるが、残念ながら、俺にはADV最大の快感はそこにはないと感じている。ストーリー分岐もキャラクターも結構だが、少なくとも俺は「俺の考えが正しかった!」という一瞬のためにADVを遊んでいるわけで、その快感を与えてくれるゲームには喜んで対価を払いたい。
……というわけで(いままでのは長い長い前置きだったのです)、NDS最初のソフトは『アナザーコード』にほぼ決定。鈴木理香さん、たのんますよ!