半落ち

アルツハイマーの妻を殺した男の空白の二日間をめぐるミステリ。最初はTVっぽいなぁ、と思ったが、話が見えてくると「映画」としての重量感に圧倒される。
テーマは重く、基本的に救いのない話だが、こーゆー映画がまだちゃんと作られていることに安心した。出演者が豪華なせいで、話がどこに進んでいくかよく分からない(テーマが示されるまで誰を中心に見ればいいか分からない)のは少々マイナス点か。
そう言えば、福本伸行の『天』のラストでも尊厳死問題を扱っていたことを思い出した(麻雀劇画なのに)。人は自分で死の瞬間を選べるのか? まだキリスト教倫理に染まりきっていない日本だからこそ、このテーマに回答を出せる可能性があるのかもしれない。