日米同発

映画では日米同時公開とかもよく見られるようになってきた。海賊版とか理由は色々あるのだろうが、少なくともハリウッドの大作映画をそのまま楽しめる観客がいるから、というのは大きい。
ここでゲームに目を移すと、日米同時発売はまれである。これも理由は色々あるのだが、日本製・アメリカ製のどちらも他方の国では売れない、という事情が一番大きいだろう(ローカライズの問題はそれなりに解決されつつあるし)。
日米両国で成功している(両国で、ともにミリオン前後を売り上げている)稀有な例をあげてみる。

くらいだろうか? このうち、MGSと鉄拳は国内売上が低迷し、バイオも実質タイトルが出ていない。
面白いのは、これらはすべて日本製で、100万人の日本人に受け入れられた米国産ソフトがない、という事実だ。EAなどはハリウッド映画と同じマーケティング手法を日本にも行っているが、日本のゲームユーザーの保守性は相当なもので、その分厚い壁は簡単には崩れそうにない。
米国産(一応パブリッシャーで考える)で一番国内で売れたPS2ソフトはたぶん『ラチェット&クランク』だろうが、これをハード同梱のため除外したとすると、次点は『GTAバイスシティ』の40万、『GTA3』の30万、『FIFAサッカー』の25万。オリジナルタイトルの数字の上限もだいたい同じだから、どうも、このあたりが日本市場の新規参入キャパ限界らしい。
そう考えると、世界の市場はまだまだ日本のメーカーに甘く、海外のメーカーに厳しい状況といえそうだ。最近は10万本ではペイしないタイトルだらけだし、国内メーカーはこの状況を利用して海外シフトを進めるか、国内タイトルを死守するかの明確な方向性を問われることになるだろう。