英雄 "HERO"

去年話題になった武侠もの。簡単に言うとカンフー羅生門フルカラー版。
特に北米で大ヒットとなった『グリーン・ディスティニー』の成功を受け、こーゆー武侠大作を純然たる中国資本で! とゆー流れだと思うが、『グリーン・ディスティニー』より数段面白い。
一応時代設定は明かされているものの、画面も演出もまったくリアルではなく、極端に様式化(オヤクソクには堕していない)されているのは面白い。登場人物が相当整理されており、特に秦の兵士はただ「大群」という扱いでしかない。クライマックスの「ご決断を!ご決断を!」の唱和は今川アニメのようだと思ったが元祖はこっちだったな。
もと中国武術チャンプの主演ジェット・リーリー・リンチェイ)と最近活躍の目立つアクション監督ドニー・イェンの戦いはさすがに素晴らしい。ここだけでいいって人もいそうだな。
そーゆーわけで演技に疑問の残る主役を差し置いて、ドラマ部分をすべて引きうけたトニー・レオン。さすがにアクションは控えめだが、一人だけ存分に演技派ぶりを発揮している(脚本もそれを期待して書かれている)。『インファナル・アフェア』でも思ったが、ほんとこの人は上手いし、いい役者だ。
最近やたら見かけるチャン[アジエンス]ツイィーは脇役だった。マギー・チャンの貫禄勝ちか。