亡国のイージス

読了。とにかくアツい! ブ厚さだけじゃない、内容の熱さもかなりのものだ。えっらい長尺のクライマックスは男泣きを誘うシーンが続出し、『女王陛下のユリシーズ号』もかくやという感動を呼ぶ。
エピローグが長いという欠点はあるものの、それでも構成は抜群にうまく、冒険小説としてのツイスト、ミステリとしてのツイスト、純文としてのツイストなどが波状攻撃される様は作者の天才を感じさせる。また、優れた冒険小説にしか許されない「まさかミステリだと思わんかった」手が使えるほどの迫真の筆致、そしてセリフは、作者の魂が本物である証と思える。
この厚さだが一週間で読めた。男なら読んで損はない。