トランスポーター

こちらは1から3まで。リュック・ベッソンが製作と脚本で関わってるというあたりで、また海からカメラが上陸してきたぞとか、ニキータに出てきたときのジャン・レノみたいなスーツケースの殺し屋が出てきたりとか、撮影がどうにも黄色っぽいとか、ベッソン好みのエキゾチックな強い女が毎度出すぎじゃないですかとかもあるのだが、新世代ハゲマッチョの旗手として躍り出たジェイソン・ステイサムの肉体の前にベッソン色もかすみぎみ。
特に一作目の『天才柳沢教授』のような、主人公が「俺ルール」を厳格に守らんがために醸し出す笑いのセンスは独特で、もはやカッコいいんだかカッコ悪いんだかよく分からない油まみれのファイトなど、ヘンテコなユーモアと簡単に人が死ぬマンガみたいな軽さが組み合わさり、唯一無二の面白さを勝ち得ていたと思う。
ただ、2作目以降は主人公がルールを守らなく(守れなく)なり、アクションもジェイソン・ボーン的なリアル路線に寄ってしまった*1事で、その独特の面白さが薄れていってしまったのは残念。

*1:これは先に書いたワイルドスピードシリーズも同様で、2002年のボーン・アイデンティティー、2004年のボーン・スプレマシーそれぞれの影響が両シリーズに見て取れる