機動戦士ガンダムUC

4話。たしかこのエピソード、UCアニメ化の際に「ダカール編はカットします」っつってた気がするがコンパクトな内容に縮小したものの無事映像化。景気悪いこのご時勢にええ話や。この改変もあって主人公の聖人君子化が進んだ関係で、戦場における主人公の場違い感パねぇ。
本編はなんかもうひたすらくたびれたオッサンが旧式メカを操り積年の恨みを晴らしまくる展開で、メインのストーリーはガンダムらしく少年少女なんだけど、ハッキリ言って背景である彼らオッサンたちの生き様死に様がかもし出す「宇宙世紀ってこんな世界なんだぜ」「俺らも苦しいけど生きてるんだぜ」という中年の主張だけでもうおなかいっぱいいっぱい。
それを象徴するのが途中で出てくる名もなきダイナーのオヤジで、これがまた初代ガンダムでガルマを演じた森功至が声なもんだから、「人類の理想を求めた宇宙移民と、その理想を形にしたジオンの思想」のもたらした悲喜劇を諦念を含んだトーンで語るシーンがもう、各種ガンダムを長年見てきたオッサン視聴者のその年月の重さを刺激しまくるわけですよ。
どんどんババを押し付けられ死亡フラグをほしいままにするリディ少尉と、異母兄弟のはずなのにこの扱いの差はあんまりじゃねなバナージ、アルベルト兄弟の「3人のお坊ちゃん」の話は、「亡国の王子」だった男の亡霊を死臭のように絡ませつつ、元祖「坊や」ガルマの語りで快調に進んでいくのでありました。ベベン。
…正直ジンネマンとの説教合戦とかあまりに会話だけでドラマをつくりすぎる*1きらいはあるものの、(リメイクヤマトなんかと違って)きちんとキャラを一貫させドラマをきっちり作って素晴らしいクォリティで映像化していく本作にはほんと頭が下がる。今後も期待!

*1:日本のアニメ的すぎる、というか