ドミニオン大増殖

きついセックスと解剖と殺人と謀略しかない、アメコミのくせに全編モノクロ*1な『フロム・ヘル』を読んでますが、やっぱりものすごい情報量に圧倒されまくり。
第4章が圧巻で、主人公ガル博士*2がロンドンの建築稗史を延々と語るだけ、というスゴイ章だが、もうここだけで、切り裂きジャック事件の歴史的背景を語りきっている。というか、そーゆー史観に基づいて起こした事件として描かれている。ムーアは今回、ミステリの「見たて殺人」を極限まで応用し、「犯人の世界観を補強するための連続殺人」という域にまで踏み込んだ。これは、やはりムーアの『ウォッチメン』で描かれた「社会正義のためのテロ(大量殺人)」と激しく呼応する。
っていうすごいタイミングで劇パト1のDVDが到着。感想は以下。

*1:というかこの内容でカラーだったらグロすぎ

*2:映画版の主人公、ジョニデのアバーライン警視は脇役