放送業界再編前夜の「紅白」

ものすごくひさしぶりに紅白をそれなりの長さで観た。ここ1年ほど実家に車で帰ることが多かったから、FMで最新ヒットは嫌でも耳に入っているが、ビジュアルをみるのは初めて、って歌手が多かった。PerfumeEXILEいきものがかりキマグレン青山テルマなど。すんげぇ失礼な物言いだけど、ルックスはともかく、優れた歌とその歌い手が台頭するのは健全な感じがする。
反面、彼ら彼女らをプロデュースする媒体であるテレビの不健全さには相当のものを感じた。「ポニョ」でジブリ=日テレに全力で擦り寄ってみたり、「ヘキサゴン」のフジと人目も憚らず馴れ合って見せたり、そしてまさかの水谷豊でテレ朝とのつながりを強く意識させたり。TBSだけパージか、と思ったら当然のように「私は貝になりたい」を大フィーチャー。すげぇな、これなんて護送船団方式? NHKは民放各社の(特権的)利益を対等に守る義務でも負ってるんだろーか。だとしたら、いわゆる電波利権を5社間だけで守っていきましょう、って宣言だよなこれ。いろんな意味でパチ業界並みだが、業界の盟主NHKが率先してこれをやり切ったあたり、地デジ以降の放送業界全般に関して、既得権益を持つこの5社は意外と真っ当な危機感を持ってるのかもしれない、と思った。