それでも生きる子供たちへ

ほとんどの監督が擬似ドキュメンタリーとして自国の子供たちを撮っているのに対し、ハリウッドの売れっ子監督リドリー・スコットジョン・ウーだけが、子役を使って嘘っぱちなドラマを撮っているのが面白い。リドリー・スコットは実娘、ジョーダン・スコットのサポート係だったようで、そういえば少女マンガ的な話ではある。っつーか、そんな話でも『ブラックホーク・ダウン』譲りのリアルな戦場シーンが入る違和感が妙味。
始まって1秒で「これはクストリッツァ以外ありえない!」とわかる(笑)クストリッツァ作品はあいかわらずの切れ味で、これがもっとも満足度が高かった。
同じ20分でクストリッツァ作品に迫る映画的完成度を見せたカティア・ルンドが、このオムニバス一番の収穫かも。イラン映画を髣髴とさせるオーソドックスな手法ながら、独特のビジュアルセンスとロケーションの利を引き出す演出で、非常に現代性を持った作品に仕上がっている。
スパイク・リー作品は完成度とは別に、「答え」まで出してしまっているのが気になった。こーゆーテーマでそーゆー映画でいいのか?