ボーン・アルティメイタム

無理矢理都合して上映終了間際のレイトショーに滑り込み。
いやー、今回は『ファイアフォックス・ダウン』並みの「直後から始まる続編」とは聞いてたが、開幕早々からリミッター解除の強烈なドライブ感に酔わされた。もちろんシリーズの説明とかなし。シリーズ初体験の連れには申し訳なかったかも。
相変わらず観客の都合とか起承転結とか恋愛とかには頓着しないグリーングラス監督、テンションMAX状態ぶっ通しで走る走る。前代未聞のカット数らしいが、それもむべなるかな、編集が早いこと早いこと。
たとえば電話を取る→あわてて支度をする→部屋を出る、はバンバンバンとカット切って2秒、このもの凄い時間密度が2時間ぶっ続け(誇張なし*1)なんだから、その情報量たるやもう。そりゃエンドロールでため息も出ようというもの。
行動だけですべてを語りきるキャラクター達*2、前作にも増して「これって事故フィルム?」なカーアクション、あまりにもアッサリし過ぎな昔の彼女との別れなどなど、ホントよくもまぁ、これだけ徹底したもんだ。イギリス人監督は概してその傾向がある*3が、「すべてにおいて外側からのみアプローチする」という意味において、グリーングラス監督は、現時点でもっともキューブリックに近い映像作家と言えるかも。
とりあえずシリーズは今回で終了だが、少なくとも前作と今作で、「ボーン」シリーズは様々なジャンルに革命をもたらしたんではないか。

*1:「息もつかせぬ」という謳い文句の映画で、俺史上初めて現実にその通りになった

*2:殺し屋同士の戦いとか一言も台詞がない

*3:リドリー・スコットとか