キリギリスの憂鬱

ふたつのGoWとかオブリビオンとかをユーザーが褒めちぎるのは構わないが、ゲーム制作者が今ごろ諸手を挙げて絶賛しているのが気持ち悪い。
これらの完成度は、欧米ゲームメーカーがせっせと積み上げてきた「共通化し、共有し、改良する」文化の産物だ。オブリビオンなんかシリーズ四作目だぜ? どーしてぽっと出のメーカーに、いまどき歴史に残るゲームが作れようか。
完成度にしか興味がない人間は、その過程を見過ごしている。完成度の低い、その前作を脅威とせず、たぶん、彼は鼻先でせせら笑ってさえいたのだ。そして今ごろ、それをどーやってパクろうか、頭をひねっているのだ。まさしくアリとキリギリス。
童話の世界では最後にアリの慈悲にすがることもできたが、現実は言葉さえ通じない。キリギリスの憂鬱は、根が深そうだ。