さらば宇宙戦艦ヤマト

20年以上ぶり?に再見。正直、イマドキの高度なアニメーションを観慣れた目からすると、マトモに観れた画面じゃない。ここまでツギハギでご都合主義のストーリーだったっけ!?とか、なんか軽くショック。
…とは言うものの、やっぱり、時代を越えた面白さがあるのも事実。

  • 他は端折られても、波動エンジン・ワープ・波動砲などはやっぱり念入りにプロセスを描いており、そのことで荒唐無稽な設定に説得力を与えている
  • 最初の方の数カットしかないが、惑星開拓の描写が結構ちゃんとしている
  • ヤマトとか以外の宇宙船が、かなり理詰めでデザインされている。救命艇とか、どーみても松本零士じゃない、ぬえデザイン
  • この作品でドラマを持っているのは、ほぼ脇役のテレサデスラーだけ、ってのは凄すぎる
  • 3人くらいの主張が入り混じって混迷を極めるストーリー
    • ラスト近辺、古代の「宇宙の愛だ!」とかは西崎Pの主張っぽい
    • 同じくラスト近辺、沖田の亡霊の「命があるじゃあないか」とかは松本零士の主張っぽい
  • とにかくテーマが明確。現代ではありえない直球勝負
  • 湖川友謙(湖川滋名義)が作監のせいか、人物のアオリがやたらに多い。が、印象的なズォーダー大帝の哄笑は、なぜかアオリとして作画されていない
  • 絵コンテが安彦良和だが、らしさはほぼない。時期的にどう考えても『ガンダム』の準備と掛け持ちだったはずで、やっつけ仕事なのかも
  • 荒木絵は松本キャラと異様に相性の良く、それが後の『ダンガードA』に繋がったように見える
  • 史上最初の「皆殺しで大成功したアニメ」と言えるかも

映画としてもアニメとしても今見ると失笑モンだが、やはり流行るだけの理由はあった、ということで。