バーサーカー 皆殺し軍団

『限りなき戦い』とかをよりアタマ悪くしたような作品なんかな、とイメージさせる邦題の割に、けっこう大ネタ、小ネタの連打で読ませる。基本設定に星間戦争があり、今作のメインは歴史改変ネタ、と、シリーズ中でもまさにプロパーSFの王道中の王道路線が楽しい。時期的には『リングワールド』とか『バベル17』とかに近いから、ジャンルとしてはネオ・スペースオペラになるのだろう。
それにしても主人公のしょぼい恋愛と人類存亡のかかった大戦争との対比がなんか『マクロス』みたい、というか、「未来からきたロボットの腹(?)に、未来から物質が送り込める小部屋がある」ってソレ、完全に『ドラえもん』ですがっ!? 『ドラえもん』の連載が70年前後で、このシリーズが最初にSFマガジン*1で紹介されたのが60年代末ごろだから、藤子不二雄がこいつを四次元ポケットに昇華した可能性は高そうだ。
他にもオイシすぎる<狂戦士>の基本設定といい、ものすごくたくさんの作品のネタ本化してる気がする。『夏への扉』みたいなもんか。

*1:ちなみに藤子不二雄は「ジェイムスン教授」シリーズ等で挿絵を描いているので、SFマガジンの関係者とも言える